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高前田乾隆窯

〒988-0161
宮城県気仙沼市
赤岩高前田222

TEL.0226-23-6603

仙台での作品展

仙台で久しぶりの個人での作品展を開催できる運びになりました。

ライフスタイル コンシェルジュの企画そして主催による作陶展です。会期は6月4日から26日まで、休廊は月曜日です。会場のライフスタイル コンシェルジュは仙台市の中心部にある一番町商店街のほぼ真ん中、広瀬通と青葉通の中間にあります。

私は、故郷気仙沼に帰って満44年間作陶活動をして来ました。その後半期に当たる2000年から現在までに制作した作品を展示します。前半期の活動は身の周りにある素材を活かして自分の陶を確立することに心身と時間を費やしてきました。

2000年頃からは、自分の夢でもあった絵画的な表現の一つとして陶画の制作を開始し、今回も壁面は陶画を展示することにしました。花入れは、大きくても小さくても自分の思いを形にする対象として欠かすことができない制作です。

しかし、私の使用する素材は市販のものとは違ってそれぞれに個性があり、同じ配合でも毎回同じに作品が出来上がるわけではありません。その上、完成最後の焼成には薪を燃料とする登り窯を焚きます。登り窯もまた毎回状況が異なり一様には焚くことができないのです。薪の状況天候の変化に注意を払って焚かなければならないのです。今回の展示作品の中には、その対応に「命をかけた」とも言える窯焚きの中から誕生した花入れがあります。

2008年6月に発生した岩手宮城内陸地震の真っただ中、緊急地震速報を耳にしながら、1000度の窯の無事を祈って薪を投入し続けた記憶が蘇ってきます。また、東日本大震災の後窯を修理して後、震災の記憶の記しとして制作した陶画「刺す月」「家族」の2点も忘れられない私の仕事だったと思っています。

これから先、後何年制作ができ何回の窯焚きができるのかわからない私にとって、この企画この展示会は最高の贈り物と思い、心から感謝しております。気仙沼の風土から誕生した作品が、私の行ったことのない外国でも私の思いを伝えてきてくれました。この展示会に一人でも多くの人々に観ていただけることを願っております。