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高前田乾隆窯

〒988-0161
宮城県気仙沼市
赤岩高前田222

TEL.0226-23-6603

春に思うこと。

2022年になって、寒い寒いと思っているうちにいきなり春真っ只中となった今年の4月。月の半ばには桜が満開になり、例年ならばその後を追って咲き出す山桜も一緒に春を謳歌するありさまだった。そんな気持ちの良い季節の中で、素焼きをし釉薬をかけ、23日には本焼きの火を入れる事が出来た。昨年のうちに準備しておいた燃料の松も力を蓄えて乾燥し、手伝ってくれる友人2人とともに火に負けないくらいの熱い思いで本焼きを終えることが出来た。
そして、26日の窯出しには火の力と窯焚き3人の思いが、作品に十分に伝わっている事を確認することができた。
桜の花が満開の下での林間作陶展にはならなかったが、今年5月1日から5日までの林間作陶展は爽やかな風に若葉の揺れる心地よい展示会になりそうだ。

このような穏やかな日と気持ちで仕事ができる事が、いかに幸せで平和であるかを思い知らせる出来事がウクライナで勃発した。
なんという忌まわし事だろう。侵攻を超え戦争をも超える殺りくを繰り返す行為は犯罪である。
こんな中、第11回九条美術展が5月4日から10日まで、上野の東京都美術館で開催される。
昨年に続き今年も出品する私は、胸を締め付けられるような気持ちでウクライナの惨状を考えた。ウクライナの国が、そしてその国民がこれからどのような将来を迎えるのだろうと。

ウクライナの国鳥ともいわれるヨーロッパコマドリに人々の思いを託して「どこへ行ったらいいの」という水彩印描の作品を仕上げた。
核をちらつかせての戦争をもって平和な世界は作ることが出来ない。
戦争をしないという理想とそのための努力実践こそが、地球人のなすべき事ではないだろうか。
その大切な事を明確に示しているのが、日本国憲法第九条だと思う。