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高前田乾隆窯

〒988-0161
宮城県気仙沼市
赤岩高前田222

TEL.0226-23-6603

小野健商店土蔵『懐古展』

宮城県陶芸家『懐古展』

2018年初の作品展は、1月15日からの気仙沼市内南町、小野健商店土蔵での『懐古展』となった。

小野健商店さんは気仙沼湾奥に近い南町にあり、2011年3月の東日本大震災では、大津波の直撃を被られました。土蔵もその一つでしたが、内湾地区歴史的建造物群の一つとして修復工事の支援を受け、昨年末に完了しました。

社長の小野寺健藏氏は、蔵が「国登録有形文化財」の指定を受けたことを機に、広く市民の文化活動にも活用してもらうことを考えて、その第一回目に私の作品展を企画してくださったのです。小野健商店さんにとっては、土蔵の修復の完了は、震災からの復興の証しの一つであり、私にとっては作陶40周年となる、共に記念すべき2018年の幕開けとなりました。

私は、通常の作品展と趣きを変えて、40年を作品で振り返って見る『懐古展』としました。

蔵の広さに合わせて、30点の作品を選びましたが、どの作品にも思い入れと思い出があります。中でも、次の3作には忘れられない思いがあります。

一つは、初めて公募展に応募して初めて入選した作品です。気仙沼市内の土を自分の土とするために試行錯誤していた1980年に誕生し、国画会国展に出品した鉄釉花入れです。

次は、2008年6月の岩手 宮城内陸地震の最中に窯を焚き誕生した作品も展示してあります。窯に火を入れて一昼夜がたった頃、緊急地震速報と共に大きな揺れが来ました。建物がガタガタ揺れているのに窯は、大丈夫と言わんばかりに踏ん張っているので、最後まで焚いたところ今までにない良い作品が誕生したのです。

そして、最も深い思いの作品は、2011年3月の東日本大震災の時の、私の心象風景を陶画で表した「震災の春」2枚組みです。これは、ご覧いただいて感じとっていただきたいと思います。

土蔵の中の展示は、私の作品だけではなく、小野健商店さんの魚問屋としての資料も多数展示してあります。

土曜、日曜を除き、午後1時から3時半まで社長の小野寺さんが丁寧に説明してくださいます。会期は2月半ばまでの予定ですので、是非ご覧くださいますようご案内します。

宮城県陶芸家『懐古展』

【開催場所】

小野健商店土蔵『懐古展』
2018年1月15日(月)から2月半ば(予定)※土曜、日曜を除く
13:00~15:30 入場無料
宮城県気仙沼市南町1-3-14