昨年の暮れに伐採して、窯の側に積み上げていた、45センチに切った松丸太が雪を被る季節になって、薪作りも本格的に身を入れなければならない頃になった。
正月休みも早々に切り上げてはじめたものの、1人の仕事ははかどりが悪い。力が落ちて来たことと根気がなくなって来たことが原因だ。それでも、薪作りは楽しい仕事であり、制作につながる大切な導入の時間だと思っている。
薪は松丸をマサカリで大割りをし木割りで小割りをする作業に過ぎないが、窯の中で良い燃え方と、 薪を望む位置に投入する為には、それにふさわしい薪を作らなければならない。そのために私は「薪作り」と思っている。
薪作りだけでなく、土作りも制作に向けての大切な導入部と言える。私の焼き物作りにとって大切な薪と素材に細心の注意を払うことによって、成形への気持ちも整って行くのである。
薪作りは、来月 2月の半ばまでかかる。今年の旧正月元旦は 2月5日。この地方で一番寒いその頃が過ぎれば、私の気持ちも成形へ少しずつ動いていることだろう。冬の空気から変わり行く春の空気のように。