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高前田乾隆窯

〒988-0161
宮城県気仙沼市
赤岩高前田222

TEL.0226-23-6603

平泉会選抜展

2026年平泉会の選抜展が6月16日から21日まで東京都上野美術館で開催されます。

第38回平泉展の本展は1月に六本木の新国立美術館で開催され、引き続いての「選抜展」です。私は近年、本展には絵画をそして選抜展には陶芸作品を出品しています。今回も同じように選抜展には陶芸作品を出品しました。

出品作品は「荒磯海」という題名の壺型花入れです。高さ38㎝幅24.5㎝の作品全体に、題名の印象を表現しています。

私の住まいする気仙沼には海の景勝地がたくさんあります。中でも唐桑、大島、岩井崎には内湾とは趣きの異なる自然豊かな海の魅力が感じられる所が何か所もあって、私もその印象を受けにおりを見て出かけています。

今回出品しました作品は、唐桑半島の巨釜や半造の巨岩に打ち寄せる荒波の印象を花入れ全体の中に表したものです。

荒磯の表情は瞬時に変化してしまいますが、私が抱いた荒磯の印象を花入れに表現するには、作品の母体となる土を選び釉薬を作りそして登り窯の中ので表現するにふさわしい場所を選定します。

素材の土はここ高前田の土を、釉薬は藁灰が多く高火度にならない溶けない釉薬を作り、窯の中でも最も高温になる場所に置いて、30時間薪で焚き上げたものです。

今回の窯焚きは、当初から減り張りのあるものにすることを心がけていました。いわゆる序破急それぞれの展開にきちんと対応することです。歳とともに体力が弱って来ると知力活力も衰えてきます。意識して30年程遡って気力を込めて窯焚きを仕終えました。

この地に登り窯を造り、149回目の窯焚きから誕生した作品は、老体に鞭打った甲斐があったと安堵しました。「荒磯海」は壺型の花入れ全体に打ち寄せる荒波が飛沫となりやがて海水のうねりに戻る直前の泡の名残りの様相がよく表れていると感じます。

「荒磯海」は陶器に表現した私の心象風景画という事です。